図書館「超」活用術 最高の「知的空間」で、本物の思考力を身につける(奥野宣之)


ノートや手帳は日常使用の最たるものであり、他人の使用スタイルやテクニックが気になることもあります。

こうした情報は時期の特集本やネットで、また友人からも容易に得られます。一方、図書館の利用テクニックは殆どお目にかかる機会がありません。

本書は、ノート術や情報活用などの著書を多数出版する奥野宣之さんが、自ら司書資格を取得したうえで図書館活用術を披露しています。




図書館は救いの「場」であるか

本書は、基本的にはビジネスパーソンのスキルアップ、職業人としてのパフォーマンスを上げることにフォーカスしています。

また、図書館の利用目的をさまざまな問いに対する「自分だけの解」を得るためとし、その背景事情をこう言い切ります。

ネットで得られる情報は質量ともに貧しい。ネット検索では「誰が調べても同じ」になる。


タスクの流入速度が速く、加速度的に受払いを迫られる人にとって、時と場所を選ばずネットで情報を探すことに是非はないでしょう。

ただ、そこで拾える情報はあくまで浅埋型の "手掛かり"であって、「以て解とすべし」と言うには心許ありません。

情報は参考文献や専門書などを渡り歩いて深掘りする。
そこから自分の考えを構築前進させることで「自分だけの解」に辿り着く。

そうした醸成を成し得る場が図書館であり、ネットが未だ拾いきれないほど情報が肥沃であるとしています。


主体的に関与・利用するテクニック

本書では、書籍・資料探しを司書に丸投げせず、図書館をもっと幅広く使いこなすテクニックが紹介されています。

以下にほんの一例を示しますが、図書館をツールとして主体的に使うものであり、すぐに実行できるものばかりです。

  • 複数の図書館を使い分けるための「図書館ポートフォリオ」を作る
  • 本を思い通りに探すため、図書館の分類法則を語呂合わせ暗記する
  • 自分の課題に対応する棚(テーマ棚)の前でじっくり棚見する
  • 成果をキッチリ持ち帰る4点コピー
  • 図書館系イベント利用

図書館の機能やサービスを利用するうえで、自分なりのデータベースを持って臨むことが有効活用につながると言えそうです。


足を運び、模索を習慣化せよ

本書を読み進めるうち、その主張がこれまでの著書の一節とリンクしていることに気が付きました。

休日に知的生産するときは、朝から大学の図書館に行く
(知的生産ワークアウト P.270)


図書館の持つ「誰をも拒まない空気」が貴重
自分だけの読む理由を持って本を探す
(「処方せん」的読書術 P.55/P.123)


歩き回る身体感覚とともに自分の力で何かを発見する
(旅ノート・散歩ノートのつくりかた P.3/P.4 )


これらが図書館「超」活用術への布石であったかどうかは別にして、奥野さんの取り組みには一貫して「自分の力で」「自分だけの」が据え置かれています。

目前に差し迫った課題がなくても、気になることがあれば図書館に寄ってみる。足を運べば必ず何らかの発見があると奥野さんは言います。

図書館好きのヘビーユーザーになることが目的ではなく、自分自身の力を得るために図書館利用を習慣化する。

そのような視点で見れば、本書に記載されている活用術がきっと心強い手助けとなる筈です!







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